ちいさいカエルは空を見上げて思いました。
あんまりたくさんの大水が落ちてきたので、そろそろ空っぽになりはしないのだろうかと。どっちにしても、明日くらいから、晴れるかもなとも。
なので、この夜はいつもよりもう少し遠くに行ってみようと決めていました。
お母さんのお母さんのそのまたお母さんの頃、このあたりはずうっと田んぼが広がっていたそうです。今は待宵草や、まだ花のないセイタカアワダチソウや、葉っぱだけのススキやらがいっぱいです。
そこをぴょーん、ぴょーんと飛び抜けていきます。
土はぬかるんで、あっちにもこっちにも大きな水たまりがいっぱいいっぱいありました。そこをもっと高く、もっと強くびょーん、びょーんと飛んで行きます。
雲の間から高く昇ったお月様が見えました。
ふと、月には行けるのかなと思って、月に向かって思いっきり高く高く跳んでみました。次の瞬間、周りの虫の声が一斉に遠のいた気がしました。
「ぎゃっ」という人の声が聞こえて、びっくりしてまた跳んでみたのですけれど、すぐに何かにぶつかってしまいました。見ると、四方はどうやら大きな壁のようなものに囲まれていて、あんなに広かった世界からいったいどこに来てしまったのかまったくわからなかったのでした。
* * *
相方から電話があったのは22時前で、「さっき世羅を出たんで、23時半くらいかねー」とのこと。今日もたいへん遅くまでおつかれさまです。
私もおしまいのお客様が遅くなったので、やっと帰宅しました。
ちょうど、また業務連絡も含めて、連絡がありました。
一通り終わったおしまいの頃、「車にカエルがおる」「えっ???」、最初は冗談かと思いました。
「一回、停まって探したけど、わからんけぇ、そのまま連れて帰るわー」
聞くと、雨がやんだのでサンルーフをあけて走っていたら、そこからカエルが跳び込んできたとのことでした。そんなことあるのでしょうか??
「え、おっきいカエル??」「いや、たぶんアマガエルかも」
ガマガエルやウシガエルだったら、大惨事かもねって笑いながら言ったら、
「到着したら、捜索隊だしてよー」とのことでした。
…えっ、私が!?
でも、ちょうど、午後の訪問先のあとに、アイスカフェオレを飲んだので、そのカップを用意して、それでも半信半疑で待っていました。
いましたねー。
足元にいたのを写真撮ろうとしたら、飛び跳ねました。
とても元気そうです。
早く捕獲して逃がしてあげてとの要求が強かったので、透明カップを近づけると、すぐに入ってくれました。
ぜんぜん撮れてません。やはり、かなり焦っていたのですかね。
このあと、とりあえず、ちっちゃい庭のじめっとした半日陰のところに逃がしてみました。
次の朝、いろいろと探してみたのですが、もうどこにもみつかりませんでした。
まあ、山も近いことですしね。
それにしても、いきなり80キロくらいも、遠くに来たことはご本人はまったく知らないでしょうねー。申し訳ないけれど、どうかお元気で。
また、会えるといいですね。
* * *
今日は朝から真っ青お空、また暑い日となりました。
何回も何回もほぼ新しい葉っぱを食べ尽くされても、レモンの木の葉っぱは再生するようです。今日もまたアゲハ蝶が立ち寄っていました。
小指の長さより小さいトンボがやってきました。
暑いので日陰に退避しているようです。
いつの間にか、韮の葉っぱも勢いを増して、花芽を伸ばしはじめています。
タマスダレもキバナコスモスも数は多くありませんが、あちらこちらで咲き続けています。
大雨の後、季節はずれのイチゴの花が咲き、中には小さいながらも実をつけて赤くなったりしています。
今日は双子の花もみつけました。
私も夜遅くに通ったことが何度かあるのですが、世羅から山陽道まで、下の道を通ると真っ暗なところが多めですね。
それでも、天からカエルが降ってくることはなかなかないかもしれませんね☺