これまでほとんど気にかけることはなかったのですが…、さて、この花は何の花でしょうか?
ナンテン(南天)はそうは言っても身近な植物、お正月に赤い実のついている木を活けたり、庭先に植えてあったり、きっと植物の名前を知らない方でもほとんどの方が名前を知っているのではないでしょうか。
でも、ほんの一時、こんなかわいらしい小さな花をつけているところをちゃんと見たことがありませんでした。
よーく見ると、既に受粉を終えて、薄黄緑色の粒に変身したものも確認出来ました。こちらがゆっくりと赤いまあるい実になっていくのでしょうか。
昨年の12月に静岡大の稲垣栄洋(ひでひろ)教授のお話を聴く機会がありました。
稲垣教授は植物学、特に雑草学では世界的に有名な方で、その著書は100冊以上、海外での出版も30冊を超えるほどで、いくつか読ませていただいた中に

なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係 (幻冬舎新書)
- 作者: 稲垣栄洋
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/03/20
- メディア: 新書
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という本があり、その中で、
- 疫病を避ける物質を持つため鬼門に植えられるナンテン
という話がありました。
実際、南天の葉は食品の防腐効果があるので、緑の彩りも含めてお赤飯やお弁当や和食に添えられたりしています。どうやら「難を転ずる」というのはこん駄洒落でも言い伝え等でもなくちゃんと根拠があるのですね。
ちなみに、稲垣教授の著書は中学校、高校の教科書にも掲載され、2017年度には入試に使われる著者ランキング1位になられたとのこと、著書を読んでなくても、その文章にはきっとどこかで出会っているはずです。
ちっちゃい庭には毎年、あちらこちらにたくさんのナンテンが芽吹き、勝手に大きくなり、今や大小合わせてかなりの数になっているようです。
まさに南天だらけ、難を転ずる、難を転じてくれているのかもしれません。